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天文学:水素化ヘリウムイオンHeH+の天体物理学的な検出
Nature 568, 7752 doi: 10.1038/s41586-019-1090-x
初期宇宙の温度が約4000 K未満まで低下した宇宙における「化学の夜明け」では、ビッグバン元素合成で生成された軽元素のイオンは、それらのイオン化ポテンシャルと逆の順序で再結合した。ヘリウムイオンHe2+とHe+はイオン化ポテンシャルが高いため、最初に自由電子と結び付いて最初の中性原子を形成し、その後に水素の再結合が起こった。金属の存在しない低密度のこの環境で、中性ヘリウム原子は陽子との放射結合によって宇宙最初の分子結合を形成し、水素化ヘリウムイオンHeH+となった。再結合が進むと、HeH+の分解が分子状水素の形成経路を開いた。HeH+イオンは、初期宇宙の進化において疑う余地のない重要な存在であったにもかかわらず、これまで星間空間で明確には検出されていなかった。HeH+イオンは、実験室では1925年というかなり前に発見されたが、それが局所的な天体物理学的プラズマに存在する可能性が議論されたのは1970年代後半になってからだった。具体的には、惑星状星雲での条件が、検出可能な柱密度のHeH+を生み出すのに適していることが示された。本論文では、テラヘルツ分光法と高高度天文台の進歩に基づいて、惑星状星雲NGC 7027で波長149.1 μmにHeH+の基底状態の回転遷移を観測したことを報告する。近傍の星間空間においてHeH+の存在が裏付けられたことで、この分子イオンの形成、特に放射結合と解離性再結合の速度を制御する化学ネットワークに関する我々の理解が絞り込まれた。

