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ナノスケール材料:フォスフォレンナノリボンの作製
Nature 568, 7751 doi: 10.1038/s41586-019-1074-x
フォスフォレンは、極めて優れた高方向性と、層数に依存するバンドギャップを持つ二次元(2D)単元素物質である。一方、ナノリボンは、一次元(1D)ナノ材料の柔軟性と一方向性、2Dナノ材料の大表面積、1Dおよび2Dのナノ材料の電子閉じ込めとエッジ効果を併せ持っている。従って、ナノリボン構造は、非常に優れた電子バンド構造制御、新奇現象の出現、応用に向けた独特なアーキテクチャーにつながる可能性がある。フォスフォレンの構造が本質的に異方性であることが動機となって、フォスフォレンナノリボン(PNR)の理論計算が盛んに行われ、異常な特性が予測されている。しかし、個別のPNRはこれまで作製されていない。今回我々は、巨視的な黒リン結晶をイオンのインターカレーションを利用して切断すること(ionic scissoring)によって個々の高品質PNRを大量に作製する方法を報告する。このトップダウン過程によってPNRの安定な分散液が得られた。PNRの幅はおおむね4~50 nm、厚さは主に単層、測定された長さは最大で75 μm、アスペクト比は最大1000であった。作製したナノリボンは、原子レベルで平坦な単結晶で、ジグザグ状の結晶方位でのみ配列している。また、これらのナノリボンは、全長にわたって幅が非常に均一であり、極めて柔軟性が高い。これらの特性と液相法による下流の操作のしやすさを合わせると、予測されたエキゾチック状態の探索や、PNRによる革新的利点が予測される一連の応用の探索が可能になるはずである。こうした応用は、熱電デバイスから高容量・急速充電電池、高速集積電子回路まで多岐にわたる。

