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構造生物学:LptB2FGC複合体によるリポ多糖抽出の構造基盤
Nature 567, 7749 doi: 10.1038/s41586-019-1025-6
リポ多糖は、グラム陰性細菌での外膜の形成と抗生物質耐性に不可欠である。7種類のリポ多糖輸送タンパク質(LptA–G)は、リポ多糖を内膜から外膜へと輸送する。ATP結合カセット輸送体であるLptB2FGはLptCと強く結合し、リポ多糖を内膜から引き抜く。リポ多糖輸送におけるLptB2FG–LptC複合体(LptB2FGC)の作用機構とLptCの役割は、ほとんど解明されていない。今回我々は、LptB2FGとLptB2FGCについて、ヌクレオチドが結合していない状態とバナジン酸で捕捉された状態の構造を、単一粒子クライオ(極低温)電子顕微鏡を用いて調べた。得られた構造からは結合しているリポ多糖の構造が解かれ、輸送体とリポ多糖の相互作用が側鎖まで詳しく明らかになり、リポ多糖の捕捉と押し出しがLptB2FGCのコンホメーション再編成と組み合わさって起こる仕組みが解明された。LptCは、その膜貫通ヘリックスをLptB2FGの2個の膜貫通ドメインの間に差し込み、これがATP結合カセット輸送体のこれまで知られていなかった調節機構となる。この結果は、内膜のLptB2FGの働きとペリプラズムでのLptタンパク質の相互作用を協調させることで効率的なリポ多糖輸送を達成するためにLptCが果たす役割を示唆している。

