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がん治療:組織球性新生物の患者におけるMEK阻害の有効性

Nature 567, 7749 doi: 10.1038/s41586-019-1012-y

組織球性新生物は、クローン性の造血障害の不均一なグループで、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路におけるさまざまな変異を特徴とする。組織球増殖症患者の50%はBRAFV600変異を持ち、このような患者にはRAF阻害が非常に有効で、この疾患の自然経過を顕著に変化させる。しかし、残り50%のBRAFV600変異を持たない患者には標準的な治療法はない。ERK依存性は組織球性新生物に一貫して見られる特徴だと仮定されているが、これは臨床的に立証されておらず、BRAFV600変異を持たない患者に見られるキナーゼ変異の多くは、これまで生物学的特徴が明らかになっていない。今回我々は、組織球増殖症の患者を対象とした、MEK1およびMEK2の経口阻害剤コビメチニブの概念実証臨床試験により、組織球増殖症がERK依存性であることを示す。患者は、腫瘍の遺伝型にかかわらず登録された。並行して、この治療を受けた患者で特定されたMAPK変化について、そのERK活性化能の特徴が明らかにされた。治療を受けた18人の患者の全奏効率は、89%(90%信頼区間:73~100)であった。応答は永続的であり、これまでのところ獲得耐性は見られていない。治療開始1年の時点で、100%の応答が続いており、患者の94%で増悪は見られなかった。コビメチニブによる治療は遺伝型にかかわらず有効で、ARAFBRAFRAF1NRASKRASMEK1(別名MAP2K1)、MEK2(別名MAP2K2)に変異を持つ患者で応答が観察された。観察された応答と一致して、これらの患者で特定された変異の特徴付けから、MAPK経路が活性化していることが確認された。まとめるとこれらの結果から、組織球性新生物はMAPKシグナル伝達への著しい依存により特徴付けられ、その結果、MEK阻害に応答することが実証された。これらの結果は、分子標的療法の恩恵を、組織球増殖症の全ての患者に広げるものである。

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