Article
神経科学:ある嗜癖モデルにおける強迫的行動の基盤となる確率的シナプス可塑性
Nature 564, 7736 doi: 10.1038/s41586-018-0789-4
中脳辺縁系ドーパミン系の活性化は、目標指向行動を強化する。例えば慢性的な薬物乱用などによる反復刺激により、そのような強化は強迫的になることがあり、非常に有害な結果に直面しても摂取が続く。今回我々は、マウスがドーパミン作動性ニューロンを光遺伝学的に自己刺激できるようにしたところ、電気ショックに耐えなくてはならない条件では、自己刺激を続けたマウスはごく一部であることを明らかにする。強迫的なレバー押しは、眼窩前頭皮質(OFC)から背側線条体に投射する神経終末の、ある活性のピークと相関していた。OFCニューロンを短期的に抑制すると、この強迫的強化は緩和されたが、自己刺激を続けるマウスではOFCから線条体への伝達が持続的に増強していた。因果関係検証のために、加罰によってドーパミンニューロンの光遺伝学的自己刺激をやめたマウスにおいてin vivoでこれらのシナプスを増強すると、強迫的レバー押しにつながったが、刺激を続けるマウスにこれらのシナプスの脱増強を行うと、逆の効果が生じた。まとめると、OFCから背側線条体への伝達のシナプス増強が、嗜癖の特徴的症状である強迫的強化を駆動しているのである。

