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構造物理学:陰イオンチャネルロドプシンにおけるイオン選択性とチャネルゲート開閉の構造的機構

Nature 561, 7723 doi: 10.1038/s41586-018-0504-5

陰イオン透過型チャネルロドプシンで人工的に設計されたもの(dACR)と天然に存在するもの(nACR)は共に光遺伝学実験で広く使われていて、動物の行動研究では標的細胞の活性を選択的に阻害することができる。しかし、どちらの種類のACRもその能力には限界があり、チャネルの構造と機能の間にトレードオフの関係があることが明確である。そのため、dACRとnACRについての分子的、構造的知見を得ることは、これらの光駆動型陰イオンチャネルの基本的な分子機構を理解することのみならず、次世代の光遺伝学的ツールを作製するためにも非常に重要であると考えられる。今回我々はdACRであるiC++の結晶構造を明らかにし、分光学的、電気生理学的および計算科学的解析と組み合わせることで、dACRとnACRの両方について、pH依存性、基質認識、チャネルのゲートによる開閉、イオン選択性に対する予想外の知見を得た。これらの結果から、大きな光電流と速い速度論的性質という重要な特徴を持ち、高い陰イオン選択性を兼ね備えた陰イオン透過型チャネルロドプシンを作製することができた。

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