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生理学:RANKL逆シグナル伝達による骨吸収と骨形成のカップリング

Nature 561, 7722 doi: 10.1038/s41586-018-0482-7

破骨細胞分化因子RANKL[receptor activator of nuclear factor-kappa B (RANK) ligand]は、破骨前駆細胞の表面にある受容体RANKに結合して、破骨細胞形成の引き金を引く。最近の研究により、骨細胞に発現するRANKLが骨リモデリングにおける破骨細胞形成に重要な役割を果たすことが分かっているが、骨芽細胞に発現するRANKLが担う役割については、まだ明らかになっていない。今回我々は、成熟途上の破骨細胞から分泌される小胞に含まれるRANKが、骨芽細胞表面のRANKLに結合してRANKL逆シグナル伝達の引き金を引き、転写因子Runx2(Runt-related transcription factor 2)を活性化して、骨形成を促進することを明らかにする。この逆シグナル伝達には、RANKLの細胞内ドメインにあるプロリンリッチモチーフが必要であり、RANKLにPro29Alaという点変異を導入すると、逆シグナル伝達の活性化が減少する。RANKL(Pro29Ala)変異マウスでは骨吸収と骨形成が共役しなくなることから、骨芽細胞のRANKLは、小胞型RANKを認識するカップリングシグナル受容体として働くことが示唆される。従って、RANKL逆シグナル伝達は、破骨細胞形成の阻害に伴う骨形成の減少を避けるための薬剤標的になる可能性がある。

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