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微生物学:非抗生物質治療薬がヒトの腸内細菌に及ぼす広範な影響

Nature 555, 7698 doi: 10.1038/nature25979

抗生物質ではない薬剤で広く一般に使用されているものの一部が、腸内マイクロバイオーム組成の変化に関連することが最近明らかになってきたが、この現象の範囲については分かっていない。今回我々は、1000種以上の市販薬が、代表的な腸内細菌40株の生育に与える影響を調べ、ヒトを対象とする薬剤(全ての治療クラスの薬剤を含む)の24%がin vitroで少なくとも1株の増殖阻害を起こすことを見いだした。これらの薬剤には、化学的に多様な抗精神病薬など、特定のクラスの薬剤が高い比率で含まれていた。ヒトを標的とする薬剤の腸内細菌へのこうした影響は、これらがヒトで抗生物質様の副作用を持つことを表しており、以前に行われたヒトコホートでの研究結果と一致する。抗生物質への感受性とヒト標的薬への感受性は細菌の種を超えて相関するので、共通の耐性機構があると考えられ、我々は一部の薬剤でその機構について検証した。抗生物質ではない薬剤が抗生物質耐性獲得を助長する可能性については、さらなる調査を行うべきである。今回の結果は、薬剤とマイクロバイオームの相互作用についての基盤情報であり、今後の副作用制御や、既存薬の別目的での活用に新しい道を開き、抗生物質耐性についての見方を広げるものだ。

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