構造生物学:ポリコーム様タンパク質がPRC2複合体をCpGアイランドへ連結する
Nature 549, 7671 doi: 10.1038/nature23881
ポリコーム抑制複合体2(PRC2)は主に転写抑制に関わっていて、細胞のアイデンティティーの維持や適切な分化などの多様な生物学的過程で非常に重要な役割を果たしている。PHF1やMTF2、PHF19などのポリコーム様(PCL)タンパク質は、PRC2の中心となる構成要素とサブ複合体を形成するPRC2関連因子であり、PRC2の酵素活性、あるいはゲノムの特定の部位へのPRC2の誘導を調整すると考えられてきた。哺乳類のPRC2結合部位はCG含量が高く、これはCpGアイランド(DNAメチル化レベルが低い)と関係がある。しかし、CpGアイランドへPRC2が誘導される機構は、完全には解明されていない。今回我々は、H3K36me3を含むヒストンペプチドの存在下で、CpGを含むDNAが結合しているPHF1およびMTF2のN末端ドメインの結晶構造を解いた。この2つのタンパク質のEH(extended homologous)領域が共にウィングドヘリックス構造へと折りたたまれていることが明らかになり、この構造はメチル化されていないCpGモチーフと特異的に結合するが、その結合様式はウィングドヘリックスのカノニカルなDNA認識モチーフの場合とは全く異なることが分かった。また、PCLのEHドメインが、マウス胚性幹細胞でCpGアイランドを含むプロモーターへのPRC2の効率の良い誘導に必要なことも明らかになった。今回の研究は、PCLタンパク質がCpGアイランドへのPRC2の誘導に不可欠であることを実証する、我々が知る限りで最初の直接的な証拠となるもので、これによってin vivoでの転写調節におけるこのようなタンパク質の役割の解明がさらに進んだ。

