Letter

ナノスケール材料:超常磁性による熱電性能の強化

Nature 549, 7671 doi: 10.1038/nature23667

高性能の熱電材料を開発するには、ナノメートルスケールで化学的構造化や物理的構造化を制御できることが重要である。この分野における進歩は、主に、ナノメートルスケールやメゾスコピックな長さスケールの界面構造かマルチスケールの階層構造のいずれかの設計を通して、フォノン散乱を増大させて格子の熱伝導率を減少させることによって達成されている。フォノン輸送だけでなく電子輸送の操作も可能にするナノ構造化手法は、熱電性能のさらなる向上につながる可能性がある。今回我々は、軟磁性材料のナノ粒子を熱電マトリクスに埋め込むことによって、フォノン輸送特性と電子輸送特性の二重制御を実現したことを示す。ナノ粒子の特性、特にその超常磁性的ふるまい(外部磁場下の常磁性体と同様にナノ粒子を磁化できる)は、以下の3種類の熱電磁効果をもたらす。(1)磁性含有物からマトリクスへの電荷移動、(2)超常磁性ゆらぎによる電子の多重散乱、(3)磁気ゆらぎとナノ構造自体の結果として増強されるフォノン散乱である。我々は、これらの効果が合わさって、ナノメートルスケールやメゾスコピックな長さスケールの電子輸送とフォノン輸送を効果的に操作できるため、得られたナノ複合材料の熱電性能が向上することを示す。

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