Article

がん:ヒト神経膠芽腫の運命地図作製から明らかになった幹細胞の不変の階層性

Nature 549, 7671 doi: 10.1038/nature23666

ヒト神経膠芽腫には、腫瘍発生を促す神経膠芽腫幹細胞の亜集団が含まれている。しかし、神経膠芽腫細胞間での腫瘍内機能の不均質性の起源については、ほとんど分かっていない。今回我々は、バーコード付けした神経膠芽腫細胞のクローン進化を、連続異種移植後に偏りのない方法で調べ、個々の運命挙動を明らかにした。進化する変異シグネチャーとは独立に、in vivoでの神経膠芽腫クローンの増殖が、神経膠芽腫幹細胞を起源とする保存された増殖階層性が関与する、顕著に中立的な過程に一致することを示す。このモデルでは、細胞周期の遅い幹細胞様細胞が、極めて高い自己維持能を持つ細胞周期のより速い前駆細胞集団を生み出し、次にその集団から非増殖性細胞が生じる。また我々は、こうした動態から逸脱するまれな「外れ値」クローンも明らかにし、さらに化学療法が既存の薬剤抵抗性の神経膠芽腫幹細胞の増殖を促進することを示す。最後に、機能的に異なる神経膠芽腫幹細胞はエピジェネティック化合物を用いて個別に標的にできることを示す。このことは、神経膠芽腫標的治療への新たな道筋を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度