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薬学:フェネチリン精神作用のワクチンによる薬力学的解析と軽減

Nature 548, 7668 doi: 10.1038/nature23464

フェネチリン(商品名カプタゴン)は合成精神刺激薬であり、近年の中東での物質使用障害および「薬理学的テロリズム」と関連付けられている。フェネチリンは、他のアンフェタミン型覚醒剤と共通したフェネチルアミンコアを持つが、その親構造には共有結合したキサンチン部分も取り込んでいる。これらの独立して働くファーマコフォアは代謝中に遊離し、結果として多様な構造の化学物質の混合物が中枢神経系へと放出される。フェネチリンの精神作用の特性は、他の合成刺激薬のものとは異なることが報告されているが、フェネチリンは摂取後にin vivoの化学的複雑性を示すため、こうした影響の原因となる特定の化学種を明らかにする試みの妨げとなっている。今回我々は、フェネチリンの精神作用効果を軽減するために、ワクチン接種による解析法であるDISSECTIVを開発し、この薬剤の急速に現れる独特な精神作用の特性が、テオフィリンとアンフェタミンの機能的相乗効果によって促進されることを示す。我々の結果は、多成分混合物内の単一化学種に対するワクチン量の漸増接種が、多重薬理活性から生じる創発特性を見いだすために使える可能性があることを実証している。我々は、DISSECTIV法が、未知の活性化学種を明らかにしたり、偽造薬物や違法薬物製剤、代謝後組織サンプル、天然物抽出物などに見られる化学的に複雑な系の中での薬力学的相互作用を解き明かしたりするために使われるようになると期待する。

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