Letter
天文学:スピンが整列したブラックホール集団と等方的なブラックホール集団の、重力波を用いた識別
Nature 548, 7668 doi: 10.1038/nature23453
連星ブラックホールの合体で生じる重力波の直接検出から、連星ブラックホールが形成される環境を調べる手掛かりが得られる。そうした環境の特徴の1つに、ブラックホールのスピンの角度分布がある。すでにコンパクトな天体の間の力学的な相互作用を通して形成された連星系におけるスピンの方向は等方的である(つまり、ブラックホールのスピンの方向は連星系の軌道に対してランダムである)と予想され、一方で同時に生まれた星のペアから形成された連星系のスピンは軌道に対して優先的に整列している可能性が高い。連星ブラックホールを検出したと思われるGW150914、LVT151012、GW151226、GW170104の4例それぞれについて最もよく計測されたスピンパラメーターの組み合わせが「有効」スピンである。本論文では、ブラックホールのスピンの大きさが高い値にまで及ぶことが許容されるならば、これらの系に対する有効スピンは、等方的な角度分布に対する整列した角度分布で0.015のオッズ比を示すことを報告する。10例のさらなる検出の影響を考慮すると、このオッズ比は整列したスピンに対して2.9 × 10−7に減少する。観測された系について等方的なスピンの分布あるいは低いスピンの大きさのいずれかに選択性が存在するということは、近い将来、明確に確認される(あるいは覆される)だろう。

