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進化学:ジュラ紀生態系における哺乳形類の耳の進化および摂餌適応に関する新証拠

Nature 548, 7667 doi: 10.1038/nature23483

ステム群哺乳形類は現生哺乳類の祖先に当たる動物群であり、豊かな生態形態学的多様性を独自に獲得した。近年の数々の発見からは、ハラミヤ目の下位クレードであるeleutherodont類は、ジュラ紀のアジアでこれまで認識されていた以上に種が豊富であったことが示唆されている。今回我々は、高度に特殊化した複数の特徴が独特なモザイク状に存在する、ジュラ紀のEleutherodontidae科の哺乳形類の新種について報告し、ハラミヤ類がステム群哺乳形類であるとする仮説を支持する系統発生学的解析の結果を示す。この新種の化石標本には、滑空用のものと解釈される化石化した皮膚膜、および、これまで哺乳形類では知られていなかった独特の形質の組み合わせを有する下顎中耳が認められる。切歯の交換は臼歯が完全に萌出したはるか後まで見られ、こうしたタイミングは他の多くの哺乳形類に特有のパターンである。in situの臼歯咬合および機能解析からは、上下の相対する臼歯1組につき乳鉢・乳棒型の咬合箇所が2組あるという、新たな様式の歯列咬合が明らかになった。こうした咬合様式は、おそらく圧砕と摩砕の二重の役割を果たすためであったと考えられる。このことから、eleutherodont類は植食性であり、おそらく種子食または軟らかい植物組織の摂食に特化していたことが示唆される。滑空性のeleutherodont類に推測されるこうした食餌適応は、真獣亜網の草食性滑空動物との顕著な進化的収斂を示している。今回のジュラ紀化石は、被子植物以前の植物と関連する飛行性の植食性ステム群哺乳形類のものであり、この動物群は、はるか後に被子植物とさまざまな真獣類クレードの飛行性植食動物との間で繰り返された関係に先行する存在であった。

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