Letter

天文学:超大質量ブラックホールへのラム圧によるガス供給

Nature 548, 7667 doi: 10.1038/nature23462

銀河中心の超大質量ブラックホールが物質を降着させるとき、活動銀河核という非常に高エネルギーの現象が生じる。ブラックホールへの供給のために銀河中心に向かうガスの流入に関しては、その説明として多くの物理過程が提案されている。銀河からガスを除去できる物理過程もいくつかあり、その1つは銀河団内の銀河間空間を満たす高温ガスによるラム圧剥ぎ取りである。本論文では、7サンプルの「クラゲ」銀河(銀河円盤を超えて数十キロパーセクにも広がった物質の長い「触手」を伴う)のうち6つに活動銀河核があり、そのうち2つには銀河規模の円錐状に広がった電離領域もあることを報告する。大きく剥ぎ取られたクラゲ銀河中に中心核の活動が多く見られる原因は、中心部へ向かうガス流を生じさせてこうした活動を誘発させるラム圧か、活動銀河核からのエネルギー注入による剥ぎ取りの増強、またはその両方である可能性がある。銀河団に対する銀河の相対的な位置や速度に関する今回の解析は、1つ目の仮説を強く裏付けており、中心部の超大質量ブラックホールにガスを供給する別の機構の可能性としてラム圧を提示している。

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