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遺伝学:ゲノム規模の活性化スクリーニングから明らかになった近傍の遺伝子を調節するlncRNA座位

Nature 548, 7667 doi: 10.1038/nature23451

哺乳類ゲノムには、長鎖非コードRNA(lncRNA)を転写する数千か所の座位があり、その一部は、多様な機構を介してさまざまな細胞過程で重要な役割を実行していることが知られている。一部のlncRNA座位は非局所的(トランス)に作用するRNAをコードしているが、多くのlncRNA座位は局所的(シス)に作用して、例えば、lncRNAのプロモーター、転写あるいは転写産物自体の機能を介して、近傍の遺伝子の発現を調節するとする証拠が得られてきている。lncRNA座位は重要な役割を持つ可能性があるが、機能的なlncRNA座位を明らかにしたり、その多様な作用機構を識別したりすることは、いまだ困難である。今回我々は、これらの課題に取り組むために、ゲノム規模のCRISPR–Cas9活性化スクリーニング法を開発し、1万か所以上のlncRNA転写開始部位を標的とすることで、目的の表現型に影響を及ぼす非コード座位を突き止めた。ヒト黒色腫細胞において、活性化因子を誘導した際に、BRAF阻害剤への抵抗性を仲介する11か所のlncRNA座位が見いだされた。ほとんどの候補座位は、近傍の遺伝子を調節するようである。EMICERIと名付けた1つの候補座位を詳細に解析し、その転写活性化が、近傍に存在する4つのタンパク質コード遺伝子の活性化を転写量依存的に引き起こし、そのうちの1つの遺伝子が抵抗性表現型を付与することを明らかにした。我々のスクリーニングおよび特性評価の手法は、非コード座位の機能を体系的に発見し、遺伝子調節や細胞機能におけるそれらのさまざまな役割を解明するCRISPRツールキットとなる。

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