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分子生物学:mRNA 3′ウリジル化とポリ(A)尾部の長さが哺乳類の母系トランスクリプトームを形作る
Nature 548, 7667 doi: 10.1038/nature23318
生物学における基本原理は、初期発生プログラムが卵形成の際に母系トランスクリプトームという形で確立されることである。この母系トランスクリプトームが、転写産物の適切な内容と量を獲得する仕組みは完全には分かっていない。今回我々は、TUT4とTUT7によるmRNA 3′末端のウリジル化が、卵母細胞成長の際に転写産物を除去することにより、マウス母系トランスクリプトームを形作ることを示す。TUT4とTUT7を介したウリジル化は、卵母細胞の成熟と妊性の両方に必須である。体細胞と比較すると、卵母細胞のトランスクリプトームではポリ(A)尾部が短く、末端のオリゴウリジル化の相対的比率が高い。TUT4とTUT7を欠失させると、高頻度で非常に短いポリ(A)尾部を持ち、3′オリゴウリジル化を欠く転写産物群の蓄積が起こる。一方、TUT4とTUT7が欠失しても、さまざまな体細胞での遺伝子発現は変化しない。以上より、我々の結果は、ポリ(A)尾部の長さと3′末端ウリジル化は、機能的な母系トランスクリプトームの形成に必須かつ特異的な機能を持つことを示している。

