細胞生物学:タンパク質輸送ERADチャネルHrd1の、Hrd3と複合体を形成した状態の低温電子顕微鏡構造
Nature 548, 7667 doi: 10.1038/nature23314
誤って折りたたまれた小胞体タンパク質は、膜を通過して細胞質へと逆行輸送され、そこでポリユビキチン化され、膜から引き出されてプロテアソームで分解される。この経路は、小胞体関連分解(ERAD)と呼ばれている。小胞体内腔または膜にあって、誤って折りたたまれたドメインを持つタンパク質はそれぞれ、ERAD-L経路とERAD-M経路を介して廃棄される。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)では、この経路の両方に、細胞質側にRINGフィンガードメインを持つ複数回膜貫通型タンパク質であるユビキチンリガーゼのHrd1が必要とされる。Hrd1は逆行輸送に必須の膜成分だが、これがタンパク質輸送チャネルを形成しているかどうかは分かっていない。今回我々は、出芽酵母由来Hrd1の、小胞体内腔でのその結合パートナーHrd3と複合体を形成した状態の低温電子顕微鏡構造を示す。Hrd1は、小胞体内腔側で結合した1個または2個のHrd3と共に、膜内で二量体を形成している。個々のHrd1分子は8本の膜貫通セグメントを持ち、そのうちの5本が細胞質から伸びてほとんど小胞体内腔にまで届く水性のキャビティを形成している。一方、隣接するHrd1分子のセグメントの1つはキャビティ側方のとじ目となる部分を形成している。水性のキャビティと側方のゲートとなる部分には、細胞質から膜内へ、または膜を通過するポリペプチドの、ERADとは逆方向の移動を促進するタンパク質輸送経路とよく似た特徴が見られる。我々の結果は、誤って折りたたまれたポリペプチドの移動のための小胞体膜を通過する逆行輸送チャネルを、Hrd1が形成していることを示唆している。

