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画像化技術:X線ベクトル・ナノトモグラフィーで明らかになった三次元磁化構造
Nature 547, 7663 doi: 10.1038/nature23006
軟強磁性材料では、磁化が滑らかに変化することによって磁区、磁気渦、磁壁などの基本パターンが形成される。こうしたパターンは、膜厚約200 nm以下の薄膜において広く研究されており、こうした薄膜では、磁化は電子や軟X線を用いた現行の透過画像化法で調べることができる。しかし、それより厚い試料の場合、磁化構造が膜厚全体にわたって変化して本質的に三次元であり、複雑な磁気構造の直接決定は依然として困難である。我々は、マイクロメートルサイズの試料内のナノスケールの三次元磁気構造を決定する硬X線ベクトル・ナノトモグラフィー法を開発した。我々は、直径5 μmの軟磁性ピラー内の磁化の構造を100 nmの空間分解能で画像化し、そのバルク内で、交差する面に沿ってクロスタイ磁壁と渦磁壁を形成する渦と反渦からなる複雑な磁気構造を観察した。この構造の交差部分では、ブロッホ点という磁気特異点が生じる。ブロッホ点は50年以上前に予測されたが、これまで直接観察されたことがなかったものである。今回我々は、これまでマイクロ磁化シミュレーションでしか調べることができなかったブロッホ点近傍の三次元磁気構造を画像化し、存在し得る2つの磁化構造、すなわち循環磁化構造と、「反ブロッホ点」に該当すると思われるねじれ状態を特定した。今回の画像化法によって、数十マイクロメートル程度の大きさの系におけるトポロジカル磁気構造のナノスケールでの研究が可能になる。内部のナノ磁気組織に関する知見は、巨視的な磁気特性の理解や、技術的応用に向けたバルク磁性体の設計に重要である。

