Letter
気候科学:アマゾン低地における過去4万5000年にわたる水文気候の変化
Nature 541, 7636 doi: 10.1038/nature20787
熱帯の水文気候の歴史を再構築することは難しく、地球の大気の深い対流の中心的な場所の1つであるアマゾン盆地については特に困難であった。例えば、アマゾン盆地が氷期にかなり乾燥していたのか、湿潤なままだったのかについては議論の的になっている。その主な理由は、調査対象地域の大半が盆地の周辺部だったことであり、堆積物の保存、年代の不確かさ、地形の状況によって解釈が複雑になる場合があるからである。本論文では、アマゾン盆地における降水が、気温と大気中の二酸化炭素濃度に関する氷河の境界条件の変化に密接に応答することを示す。今回の結果は、アマゾン川流域東部のパライソ洞窟の鍾乳石を用いて得られた、時間分解能が10年スケールで、ウラン–トリウム法で年代測定された、過去4万5000年間の大半の期間の酸素同位体記録に基づいている。我々は、この記録が降水量とおおむね関連していると解釈している。現代の降水量と比べると、この地域の降水量は、約2万1000年前の最終氷期極大期では約58%、約6000年前の中期完新世では142%であった。低地の西端の洞窟の記録との比較から、我々は、アマゾン川流域は最終氷期において広範囲に今より乾燥しており、水の再循環量がかなり少なく、おそらく植物蒸散が減少していたが、熱帯雨林はこの期間を通して存続していたことを見いだした。

