Letter

量子物理学:スクイーズド光による量子反作用限界を超えるサイドバンド冷却

Nature 541, 7636 doi: 10.1038/nature20604

電磁気学的真空場の量子ゆらぎから、カシミール力やラムシフトといった測定可能な物理効果が生じる。さらにこのゆらぎは、従来のレーザー冷却技術で到達できる最低温度に、量子反作用限界と呼ばれる観測可能な限界も課す。レーザー冷却実験では、質量の重い機械系が類を見ない低温まで冷却され続けているので、この一見して基礎的な限界は実験室でますます重要になっている。幸運にも、真空場ゆらぎは不変ではなく「スクイーズ」可能なため、位相ゆらぎを犠牲にすることで振幅ゆらぎを小さくすることができる。今回我々は、スクイーズド光を用いて巨視的な機械的物体の運動を量子反作用限界以下へ冷却できる手法を提案し、実験的に実証したことを報告する。まず光のコヒーレント状態を用いて、この限界の15%以内にマイクロ波共振器光機械系を冷却した。次に、ジョセフソンパラメトリック増幅器で生成したスクイーズドマイクロ波場によって、この系を量子反作用限界の2デシベル以下まで冷却した。機械的サイドバンドのヘテロダイン分光法で測定された最小の熱的占有率は、フォノン0.19 ± 0.01個であった。我々の技術では、原理的には低周波の機械的振動子でさえも運動基底状態近くまで自由に冷却できるため、より大きくより重い系での量子物理学の研究が可能になる。

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