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細胞生物学:アルギニンのリン酸化は、Clpプロテアーゼによる分解のためにタンパク質を標識する

Nature 539, 7627 doi: 10.1038/nature20122

タンパク質の代謝回転は、異常なポリペプチドの除去や細胞のシグナル伝達に極めて重要な、厳密に制御された過程である。真核細胞では、ユビキチンが、プロテアソームによる分解のためにタンパク質を標識するが、細菌の場合、これに対応するClpプロテアーゼの一般的な標識系は知られていない。今回我々は、枯草菌(Bacillus subtilis)由来のClpC–ClpPタンパク質分解複合体の標識機構について調べた。ClpPトラップ変異体を用いた定量的アフィニティープロテオミクスから、アルギニン残基がリン酸化されたタンパク質が、ClpC–ClpPの選択的な標的となることが分かった。in vitroの再構成実験からは、基質タンパク質の分解には、McsBキナーゼによるアルギニンのリン酸化が必要かつ十分であることが明らかになった。また、高分解能で決定された共結晶構造からは、ホスホアルギニンの結合部位がClpC ATPアーゼのアミノ末端ドメインに位置していることが示された。総合すると今回のデータは、ホスホアルギニンがClpC–ClpPプロテアーゼの真の分解標識として機能することを実証している。この系はグラム陽性細菌に広く存在しており、真核生物のユビキチン・プロテアソーム系と機能的に類似している。

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