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細胞生物学:切断により誘導されるテロメア合成が代替的テロメア維持の基礎となる

Nature 539, 7627 doi: 10.1038/nature20099

相同組換えによるDNA修復は、鋳型DNA合成を介したゲノムの維持に必須である。テロメアの代替伸長(alternative lengthening of telomeres;ALT)には相同組換えによるDNA修復が必要で、ALTによりヒトがんの約10~15%でテロメアが維持されている。哺乳類ゲノムにおいて、テロメアなどの領域で、DNA損傷がDNA複製複合体(切断誘導性レプリソーム)の集合や実行を誘導する仕組みについては、ほとんど分かっていない。本研究では、切断により誘導されるテロメア合成について説明し、これにはALTによるテロメア維持の基礎となる、特殊化したレプリソームが用いられていることを示す。DNA二本鎖切断は、長い塩基配列の一方向複製により新生テロメアの合成を誘導する。複製因子C(RFC)によるPCNA(proliferating cell nuclear antigen)の装着は、テロメア損傷の最初のセンサーとして働き、そのPOLD3サブユニットを介してDNAポリメラーゼδ(Pol δ)を優勢にする。切断誘導性テロメア合成は、RFC–PCNA–Pol δ経路を必要とするが、他のカノニカルなレプリソーム構成因子であるATMやATR、あるいは相同組換えタンパク質Rad51には依存しない。従って、切断誘導性レプリソームによるテロメア損傷の認識の開始は、相同組換えによるテロメア維持を統御している。

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