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地球力学:ブリッジマナイトの結晶選択配向から推測されるマントル・ダイナミクス
Nature 539, 7627 doi: 10.1038/nature19777
地震波の横波の異方性は、地球上のいくつかの沈み込むスラブ周辺の下部マントル最上部で観測されている。このような地震波異方性の原因として、ブリッジマナイト(ペロブスカイト構造の(Mg,Fe)SiO3)の変形による結晶選択配向(CPO)は、最も有力な候補の1つである。しかし、ブリッジマナイトのレオロジー的性質はほとんど分かっていない。ブリッジマナイトの変形組織を決定するために一軸変形実験が行われているが、支配的なすべり系(すべり方向とすべり面)は決定されていない。本論文では、川井型DIA型変形装置を用いた単純せん断変形実験によって得られた、下部マントル最上部に相当する条件下(25 GPaおよび1873 K)でのブリッジマナイトのCPOパターンと主要すべり系を報告する。得られた構造は、せん断面に直交した[100]軸とせん断方向に向いた[001]軸によって特徴付けられており、ブリッジマナイトの主要すべり系は[001](100)であることを示唆している。いくつかの沈み込むスラブ近傍(トンガ–ケルマデック、千島、ペルー、ジャワ)で観測された地震波異方性は、沈み込みの方向と平行なマントル流によって生じたブリッジマナイトのCPOによって説明できる。

