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惑星科学:季節的に冷却捕獲された揮発性物質から形成されたカロンの赤い極
Nature 539, 7627 doi: 10.1038/nature19340
冥王星の大きな衛星カロンの独特な特徴は、暗赤色の北極冠である。冥王星表面の似たような色は、炭化水素の高エネルギー放射過程によって作られるソリンに似た高分子有機物が原因と考えられている。カロンの極域の位置から、この物質の生成には、カロンの大きな自転軸傾斜と長い季節に起因する極端な温度が関与していることが示唆される。冥王星の大気散逸によって、複雑な化学反応をもたらす可能性がある原料が供給される。カロンの北半球の画像に基づいて、カロンの冬の極域で冥王星からの散逸ガスが一時的に冷却捕獲され処理されることが、暗色の説明として提案されているが、定量的なモデル化はされていなかった。本論文では、冥王星照によって照らされた南半球の画像と、接近中に撮影した経度方向全体に広がった北極冠を示す画像について報告する。我々は、カロン表面の熱的環境と、冥王星から散逸した物質の供給および一時的な冷却捕獲、そして冷却捕獲されている間にこの物質が光分解してさらに複雑で揮発性の低い物質になる過程をモデル化した。このモデルから得られた結果は、カロン表面で観測された色模様を生じさせるものとして提案された機構と一致している。

