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微生物学:Frizzledタンパク質はC. difficile毒素Bに対する大腸上皮受容体である
Nature 538, 7625 doi: 10.1038/nature19799
グラム陽性桿菌Clostridium difficileの毒素B(TcdB)は、この菌への感染に伴う病的症状を引き起こす重要な病原性因子である。今回我々は、CRISPR–Cas9を用いたゲノム規模のスクリーニングを行い、Wnt受容体frizzledファミリー(FZD)のメンバーがTcdB受容体であることを突き止めた。TcdBはCRD(cysteine-rich domain)として知られる保存されたWnt結合部位に結合し、FZD1、2および7に対して最も高い親和性を示す。TcdBはFZDに対する結合についてWntと競合し、TcdBが結合するとWntシグナル伝達が遮断される。FZD1/2/7を三重ノックアウトした細胞はTcdBに対して高い抵抗性を示し、組換えFZD2–CRDは大腸上皮に対するTcdBの結合を防止した。FZD7ノックアウトマウス由来の大腸オルガノイド培養とFZD1および2のノックダウンを組み合わせると、TcdBに対する抵抗性が増大した。FZD7ノックアウトマウスの大腸上皮は、in vivoでTcdB誘導性の組織損傷に対する感受性が低下した。以上の結果は、大腸上皮ではFZDがTcdBに対する生理的な受容体であることを確証している。

