植物科学:青色光受容体は光合成のフィードバック調節に関わる
Nature 537, 7621 doi: 10.1038/nature19358
植物や藻類において、光は光合成のためのエネルギー源として、また特定の光受容体を介した細胞応答を引き起こす生物学的なシグナルとして働く。赤色光はビリンを含むフィトクロムによって、青色光はフラビンを含むクリプトクロムやフォトトロピン(PHOT)によって受容される。PHOTは光受容に関わるLOV(light, oxygen or voltage)ドメインを2つ持つ。光受容は、光合成の閾値のはるか下の値から、光合成による二酸化炭素固定に必要な値を超える値までの、何桁もの光強度にまたがって起こる。過剰な光は、酸化的損傷や細胞死を引き起こす可能性があるが、こうした影響は主要な光防御応答である高エネルギークエンチング(qE)を介した熱散逸の亢進によって防止される。今回、我々は、緑藻Chlamydomonas reinhardtiiにおける光受容、光合成、そして光防御が分子レベルでつながっていることを示す。PHOTは、qEエフェクタータンパク質LHCSR3(light-harvesting complex stress-related protein 3)の発現を強光下で誘導することでqEを制御していることが分かった。この制御にはPHOTのLOVドメインを介した青色光受容およびPHOTキナーゼを介したLHCSR3の誘導、そしてLHCSR3を介した光化学系IIにおける光散逸が必要である。PHOT遺伝子の欠損変異体は過剰な光条件下での適応度が顕著に減少したことは、光感受およびその利用、そして光の散逸は協調した過程であり、この過程は光強度が変動する環境への微細藻類の順応において重要な役割を果たしていることを示している。

