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構造生物学:グルタミン受容体サブタイプであるカイニン酸型グルタミン受容体の脱感作の構造基盤

Nature 537, 7621 doi: 10.1038/nature19352

グルタミン酸受容体は、リガンド依存性四量体イオンチャネルで、中枢神経系でシナプス伝達を仲介している。この受容体は脊椎動物での認知と関わっており、またその機能不全は多様な疾患の原因となる。AMPA型およびカイニン酸型のグルタミン酸受容体サブタイプでは、静止状態と脱感作状態の両方でイオンチャネルは閉じており、一方、チャネルと物理的に連結しているリガンド結合ドメインは大きく異なるコンホメーションをとっている。脱感作状態の原子モデルが無くては、受容体の開閉に関わる重要な問題、すなわち静止状態と脱感作状態ではリガンド結合ドメインの四次構造には大きな違いがあるにもかかわらず、共にイオンチャネルは閉じているという問題を取り扱うことができない。今回我々は、カイニン酸受容体GluK2サブタイプの構造を低温電子顕微鏡法(cryo-EM)を用いて3.8 Å分解能で決定し、脱感作状態の特徴は、受容体のリガンド結合ドメイン層でのリング様構造の確立であることを示す。この「脱感作リング」の形成は、隣接したサブユニット間に見られる、交互に少しずつずれて並んだヘリックス同士の接触によっており、これがリガンド結合ドメインの擬似4回対称の配置につながっていて、これは対称性のわずかな変化が開閉機構に重要であることを示している。脱感作リングの崩壊が、おそらくは受容体がその静止状態へ戻ることを可能にする重要なスイッチであって、それによって開閉サイクルが完結するのだろう。

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