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古生物学:ルーシーに見られる死戦期の骨折は高木からの落下による死を示唆する

Nature 537, 7621 doi: 10.1038/nature19332

鮮新世化石の「ルーシー」(アウストラロピテクス・アファレンシス)は、1974年にエチオピアのアファール地方で発見され、これまで見つかった化石ヒト族標本の中で最古級かつ最も完全な骨格の1つである。今回我々は、その骨格の詳細な分析に基づいて、ルーシーの死因が、複数の骨格要素に圧迫骨折や若木骨折(ヒンジ状の骨折)を生じさせた垂直減速事象、すなわち相当な高さからの落下による衝撃であったとする説を提案する。同時に複数の骨折を生じさせるほど激しい衝撃は通常、内臓にも損傷を与えるので、こうした損傷が組み合わさってルーシーを死に至らしめたと仮定される。初期人類の進化に樹上の移動運動が何らかの役割を果たしたのか、果たしたとすればどんな役割だったのかについては活発な議論があり、ルーシーはそうした議論の中心になってきた。そのため、ルーシーの死が、おそらく高木からの落下による負傷に起因すると考えられること、従って本種が樹上性であったことを示す貴重な証拠をもたらしたのは皮肉なことである。

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