Letter

材料学:固体酸化物セルにおける電極触媒活性のスイッチング

Nature 537, 7621 doi: 10.1038/nature19090

固体酸化物セル(SOC)は、2通りの動作、すなわち燃料を酸化して発電する燃料電池としての動作と、水を電気分解して水素ガスと酸素ガスを生成する電気分解セルとしての動作を高い効率で行うことができる。理想的には、SOCは、良好な性能を示し、耐久性があり、安価であるのが望ましい。しかし、これらの要素同士は競合する場合が多く、例えば性能の実現に耐久性の犠牲が伴う。SOCは、高密度電解質によって隔てられた多孔質電極(燃料極と空気極)からなる。電極に関する最大の課題は、費用効率と時間効率の高い製造を保証しながら高い電極触媒活性を長期にわたって実現させることである。概して、この課題は長く複雑なex situでの手順を通して達成されてきた。こうした手順は、専用の前駆体や装置を必要とすることが多い。さらに、そうした電極は、可逆的動作に伴う劣化を軽減できても、多くの別の種類の劣化を受けやすくなる。別の方法としては、動作に適した条件の下で、例えば酸化還元離溶を通して、適切な電極ナノ構造体を成長させる方法がある。今回我々は、SOCの電気化学的分極処理を2 Vで数秒間行うことによって、酸化物電極上に数多くの固定金属ナノ粒子を細かく分散させて成長させたことを報告する。この電極構造体は、燃料電池としても電気分解セルとしても良好な性能を示す(例えば、加湿水素ガス中において900°Cで2 W cm−2の電力を生成し、50% 水/窒素ガス中において1.3 Vで2.75 A cm−2の電流を生成する)。ナノ構造体とそれに伴う電気化学的活性は、150時間の試験を経ても劣化しなかった。今回の結果は、in operandoでの手法で新たなナノ材料が得られ、その材料が並外れた性能をもたらすことを立証するだけでなく、電気分解セルと燃料電池を一体化して、製造が容易で汎用的な単一の高性能デバイスを実現できることの概念実証でもある。これによって、高活性ナノ構造体を簡便かつほぼ即座に作製して動作中にSOCを再活性化する可能性が開かれる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度