惑星科学:重力場と形状から推定される、(1)ケレスの部分的に分化した内部構造
Nature 537, 7621 doi: 10.1038/nature18955
地上望遠鏡や宇宙望遠鏡からの遠隔観測によって、小惑星1番ケレスのおおよその密度や形が得られたため、その内部構造について、均質な構造から十分に分化した構造までさまざまなモデルが提案されている。ケレスの内部構造に強い制約を与えるパラメーターのうち、まだ分かっていないものはケレスの慣性モーメントだが、それにはケレスの重力偏差の測定とともに歳差運動速度または静水圧平衡の妥当な仮定のいずれかが必要である。しかし、地上からの遠隔観測では重力偏差を測ることができず、さらに、歳差運動速度は非常に小さいので検出することができない。本論文では、探査機ドーンから得られたケレスの重力測定と形状測定の結果を報告し、ケレスが静水圧平衡状態にあり、推定される慣性モーメントの正規化平均が0.37であることを示す。これらのデータから、いくつかの研究で予想されていたように、ケレスが部分的に分化した天体であり、岩石コアとそれを取り巻く揮発性物質に富んだ球殻からなっていることが示された。さらに、重力信号は、地形の起伏から想定されるよりも強く抑制されていることも分かった。このことは、ケレスはアイソスタシー的に平衡を保っており、地形学的な高地が内部の高密度領域の移動によって支えられていることを表している。小惑星4番ベスタとは違って、この強い平衡は、深部に低粘性層が存在することを示しており、組成勾配ではなく熱勾配をおそらく反映している。我々は、内部構造をさらに調べるために、コアの密度が2460~2900 kg m−3の(つまりCIコンドライトとCMコンドライトからなる)ケレス内部の2層モデルを仮定して、70~190 kmという外殻の厚さを得た。外殻の密度は1680~1950 kg m−3となり、揮発性物質と、ケイ酸塩や塩などのより重い物質の混合物であることを示している。重力データと形状データはケレスの内部が熱的に進化したことを裏付けているが、部分的に分化した内部構造は、ケレスが、差し渡し1000 km未満の中程度の大きさの氷に富んだ岩石天体に対して今まで想像していたよりももっと複雑な進化を遂げてきたことを示している。

