Letter

進化学:シンクロトロン・マイクロトモグラフィーによって明らかになった、ステム群四肢類アカンソステガの生活史

Nature 537, 7620 doi: 10.1038/nature19354

魚類から四肢類への移行は、脊椎動物の進化史においてほぼ間違いなく最も根本的な適応的変化の連続であった。これらの事象のさまざまな側面に関するデータが現在、急速に集まりつつあるが、最初期の四肢類の生活史はいまだに全く分かっておらず、そうした四肢類を生きている動物として理解する際には大きな空白部分が生じてしまう。この問題を象徴しているのが、デボン紀のものとして知られる中で最大の四肢類化石が成体個体のものだとする暗黙の仮定である。本論文では、グリーンランド東部Stensiö Bjergのアカンソステガ(Acanthostega)の大量死の遺骸群集を含む堆積物から、デボン紀の四肢類に関して我々の知るかぎりで最初の生活史データを示す。伝搬位相差シンクロトロン・マイクロトモグラフィー(PPC-SRμCT)を用いて上腕骨の組織構造を可視化し、それらの成長史を推定することにより、この堆積物から見つかった個体は最大のものでも幼体であることが明らかになった。長い前期幼体期には、個体は肢が骨化しないままほぼ最終サイズにまで成長し、それに続く後期幼体期では、緩やかに成長して肢が骨化し、一部の個体では後期幼体期が少なくとも6年間続いた。肢の骨化の開始が遅いのは、幼体が完全に水生であったことを示唆しており、標本の多くを幼体が占めているのは、幼体と成体が少なくともある時期においては別々に分布していたことを示唆している。肢の骨化が開始する絶対サイズは個体間で大きく異なっており、性的二型性、適応戦略、または競争に関係するサイズ変動による可能性が考えられる。

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