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構造生物学:エンドセリンETB受容体のエンドセリン-1による活性化機構

Nature 537, 7620 doi: 10.1038/nature19319

エンドセリンはアミノ酸21個からなるペプチドで、血管の緊張の調節や体液の恒常性維持、神経提細胞の発生、神経伝達など、さまざまな生理過程に関わっている。エンドセリンとそのGタンパク質共役受容体は、肺動脈性肺高血圧症をはじめとするさまざまな病気の進行にも関係しているため、治療の標的として重要である。今回我々は、ヒトエンドセリンB型受容体の結晶構造を、リガンドが結合していない状態と、内在性アゴニストであるエンドセリン-1が結合した状態で解明した。構造解析と変異解析により、エンドセリン-1とエンドセリン-3というイソペプチドを識別する選択機構が明らかになった。受容体の膜貫通ヘリックス1、2、6、7が移動してエンドセリンペプチド全体を包み込むことで、実質的に不可逆な結合を形成することが判明した。このアゴニストが誘発するコンホメーション変化は、受容体の中心部や細胞質側のGタンパク質結合表面に伝わるとだけでなく、おそらくTM6のコンホメーションへも柔軟性をもたらすのだろう。M2ムスカリン受容体との比較から、クラスAのGタンパク質共役受容体に共通するシグナル伝達機構があることが示唆される。

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