宇宙物理学:電波パルスを発する白色矮星の連星
Nature 537, 7620 doi: 10.1038/nature18620
白色矮星はコンパクトな天体で、サイズは地球と同程度であるが、質量は約 20万倍である。孤立した白色矮星は、紫外線波長から近赤外線波長でエネルギーの大半を放出するが、より低密度の星が近接した軌道を回っていると、白色矮星はそうした伴星から物質を剥ぎ取り、結果的に生じる質量輸送によって原子輝線放射やX線放射が生じる可能性があり、白色矮星に磁場があれば、近赤外線から中赤外線の放射も生じる。しかし、連星系であっても白色矮星が遠赤外や電波領域の周波数で検出されることはめったにない。本論文では、X線から電波領域の波長を放射する白色矮星と低温の星の連星系を発見したことを報告する。この星はさそり座AR星(以下、AR Sco)で、1970年代初期に一般的な周期変光星であるたて座δ型星に分類された。今回の観測結果からは、この星がたて座δ型星ではなく、3.56時間の周期を持つ近接連星系であり、1.97分周期で光度が脈動していることが明らかになった。これらのパルスは非常に強力で、AR Scoの可視光フラックスが30秒以内に4倍に増加することがあり、電波領域の周波数でも検出できる。パルスは、磁場がある白色矮星の自転を反映しており、我々はこの自転速度が107年の時間スケールで低下していることを見いだした。自転速度を低下させる駆動力は電磁放射の場合に見られるものよりも1桁大きく、降着を示す明らかな証拠がないことと合わせて、AR Scoは主として自転によってエネルギーを供給されていることが示唆された。パルスはこの白色矮星の自転によって駆動されているが、それらは主に低温の星から生じている。AR Scoの幅の広いスペクトルは、シンクロトロン放射に特徴的であり、相対論的な電子を必要とする。こうした電子は、白色矮星の近傍で生じているか、白色矮星の磁気圏との直接的な相互作用を通してM型星でin situで生じているかのいずれかであるに違いない。

