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宇宙物理学:光照射されている分子雲オリオン・バーの圧縮と蒸散
Nature 537, 7619 doi: 10.1038/nature18957
オリオン・バーは、近傍の大質量星からの強い紫外線によって照らされている典型的なエッジオン分子雲面である。オリオン星雲は比較的近い(地球から約1350光年)ことから、母体となる星雲に対する恒星のフィードバックの影響を詳細に調べることができる。オリオン・バーの可視光観測の結果は、高温の電離ガスとやや低温の中性原子ガスの間の遷移領域(電離面;ionization front)が、原子ガスと分子ガスとの遷移領域(解離面;dissociation front)から空間的に15秒角、すなわち6200天文単位(1天文単位は地球と太陽の距離)程度離れていることを示している。オリオン・バーにある中性ガスに関する過去の遠赤外観測と電波観測の結果(典型的な分解能は10~20秒角)の解釈に使われた定常平衡モデルからは、広範な低密度ガスの中に高密度の塊が存在する非一様な星雲構造が予測される。今回我々は、この分子雲表面を解像できる1秒角分解能のミリ波画像を報告する。定常モデルの予測と大きく異なり、H原子とH2分子の境界を示すH2振動放射のピーク域と、観測されたCOとHCO+放射域の縁との間に検出できるほどのずれはなかった。これは、H/H2遷移領域とC+/C/CO遷移領域が非常に近いことを示している。我々は、分子雲表面において、高密度な下位構造の分裂した隆起部、光蒸散しているガスの流れ、および不安定性を見いだした。今回の結果は、分子雲中に移動している高圧の波によって星雲の縁が圧縮されていることを示唆しており、動的で非平衡な効果が星雲進化において重要であることを示している。

