Letter
生態学:複数の限定的資源の添加は草原の多様性を低下させる
Nature 537, 7618 doi: 10.1038/nature19324
ニッチの次元性は生物多様性の理論的説明として一般的であり、ニッチが多いほど、すなわち限定要因が多いほど、種はより多くの形で共存できるようになる。植物種は同じ一群の限定的資源をめぐって競争するため、理論からは、限定的資源を添加すれば潜在的なトレードオフが解除されて、共存可能な種の数が減少すると予測されている。植物の生産が複数の栄養素の制限を受けることは一般的であるため、施肥によって、地中の限定要因の数または次元が減少して多様性が低下する可能性がある。同時に、栄養素の添加はバイオマスを増加させて、究極的には競争を、地中の栄養素から、光をめぐる一次元的な競争的トレードオフへと移行させると考えられる。今回我々は、複数大陸にわたる実験ネットワークの45の草原で、添加された限定的栄養素の数が多いほど植物種の多様性が低下することを示す。植物バイオマスの影響を考慮して調整した後でも、また、バイオマス生産量が栄養素の制限を受けていない場合でも、添加された栄養素の数から多様性の喪失が予測できた。資源の供給を増加させるとニッチの次元が減って多様性が低下し、生産力と種構成のターンオーバーが共に増大することが分かった。今回の結果は、複数の全球的変動要因に応答して多様性の喪失が進行している生態系の次元性を理解することの重要性を示している。

