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材料科学:クーロン斥力が媒介する電子引力
Nature 535, 7612 doi: 10.1038/nature18639
電子を特徴付ける特性の1つは、相互のクーロン斥力である。しかし、固体では、この基本的な特性が変化する可能性がある。例えば、超伝導体では、電子が格子振動と結合して互いに引き合うようになり、その結果、束縛された対が形成される。50年前、固体中の全自由度が電子によるものであるときでさえも、他の電子との斥力を利用すれば、電子を引き合うようにできると提案された。この引力機構は「励起子機構」と名付けられ、より強くよりエキゾチックな超伝導を実現するのに有望である。しかし、広範な探索にもかかわらず、励起子引力を示す実験的証拠はまだ見つかっていない。今回我々は、励起子機構の基本構成要素をボトムアップ式で構築して、この引力を実証する。今回の実験は、新たに用意したカーボンナノチューブから作製した量子デバイスに基づいており、極低温での精密操作と組み合わせている。このプラットフォームを使い、引力を媒介する「のり」として別の電子系を用いて、2個の電子を互いに引き合うようにできることを実証した。今回の系は調整可能であるため、基礎となる斥力に対する出現した引力の依存性や対形成エネルギーの起源など、根底にある物理に関する知見が得られる。さらに我々は、励起子対形成の輸送上の特徴も明らかにした。励起子対形成が実験的に実証されたことで、物質の励起子状態の設計への道が開かれる。

