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神経科学:霊長類脳発達の包括的転写地図
Nature 535, 7612 doi: 10.1038/nature18637
脳発達の転写基盤については、特にヒトや近縁の非ヒト霊長類では、まだほとんど分かっていない。我々は、アカゲザル(Macaca mulatta)の脳の発達についての高分解能の転写アトラスを報告する。これは出生前と出生後の期間に密な時間間隔で行ったサンプリングと、ヒトの神経精神疾患と関連する皮質および皮質下領域の細かい解剖学的区画を組み合わせたものである。遺伝子発現は前駆細胞と成熟ニューロンの両方で、出生前の方がより急速に変化する。皮質層および皮質領域が成体と同様の分子プロファイルを獲得するのは生後発達の意外なほど後期である。異なる細胞集団は、遺伝子発現に関して異なる発達タイミングを示すが、神経細胞の投射や接着などの神経回路構築の基盤となる過程では予想外の同時性も見られた。原発性小頭症、自閉症スペクトラム障害、知的障害および統合失調症などの神経発達障害に関わるリスク遺伝子候補は、発達中の新皮質内で疾患特異的な時間・空間的濃縮を示した。ヒトの発達における発現の経過は、齧歯類よりもサルに類似しているが、ヒト遺伝子のおよそ9%がヒト特異的な調節を示しており、サルと比較して成熟に至る期間あるいはネオテニーが延長している証拠となっている。

