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がん治療:BRCA欠損細胞では複製フォークの安定性が化学療法抵抗性をもたらす
Nature 535, 7612 doi: 10.1038/nature18325
Brca1およびBrca2遺伝子を欠損する細胞では、DNA二本鎖切断の相同組換えによる修復能が低下しており、その結果としてシスプラチンやポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤などのDNA損傷薬に高い感受性を示す。今回我々は、MLL3/4複合体タンパク質のPTIPの欠損が、Brca1/2欠損細胞をDNA損傷から保護し、Brca2欠損胚性幹細胞の致死性を救済することを示す。しかしPTIPの欠損は二本鎖切断部位での相同組換え活性を回復することはない。PTIPが存在しないと、停止した複製フォークへのMRE11ヌクレアーゼの誘導が阻害され、それによって新生DNA鎖が大規模な分解から保護される。もっと広くみれば、PARP阻害剤やシスプラチンへの抵抗性の獲得は、Brca2復帰変異が生じないBrca2欠損腫瘍細胞での複製フォークの保護と関連している。PARP1やCHD4などの複数のタンパク質の破壊が複製フォーク保護と同じ最終結果につながることは、腫瘍細胞が化学療法剤による介入を回避し、薬剤耐性を獲得する機構の複雑性をはっきり示している。

