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化学:電子-プロトン移動メディエーターを用いる協同的な電極触媒的アルコール酸化

Nature 535, 7612 doi: 10.1038/nature18008

アルコールの電気化学的酸化は、エネルギー変換や化学変換の取り組みの大きな焦点であり、燃料電池からバイオマス利用や精密化学合成にまでさまざまな応用が考えられる。この種のプロセス向けの小分子電極触媒は、ニッケル触媒の進展によって水素の電気化学的な生成と酸化が最近実証されたように、今後の開発の有望な対象である。ヒドロゲナーゼの活性部位に似た係留アミンを持つ錯体は、そうした酵素をはるかに超える速度でプロトンと電子から水素を生成する反応を触媒するとともに、可逆的で電極触媒的な水素の生成と酸化を酵素と同程度の性能で媒介することが示されている。電極触媒的アルコール酸化の進歩は、それほど大きくなかった。水素の酸化に用いられる錯体に似たニッケル錯体は、ベンジルアルコールの高効率電気化学的酸化を媒介し、回転頻度が毎秒2.1であることが示されている。しかし、こうした化合物は、エタノールやメタノールとの反応性が低い。TEMPO(2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンN-オキシル)などの有機ニトロキシルは、最も広く研究されたアルコール酸化用の電極触媒である。こうした触媒は、さまざまなアルコールに対して良好な活性を示し(毎秒1~2回転)、有機電解合成に非常に有望である。しかし、反応性オキソアンモニウム種の生成には高い電極電位が必要であることから、エネルギー変換への応用は制限されている。今回我々は、電気化学的アルコール酸化向けの(2,2′-ビピリジン)Cu/ニトロキシル共触媒系について報告する。このプロセスは、TEMPOのみのプロセスより0.5 V低い電極電位で反応が起こり、はるかに速い速度で進行する。(2,2′-ビピリジン)Cu(II)とTEMPO酸化還元パートナーは、協同的反応性を示し、高電位TEMPO/TEMPO+プロセスではなく低電位プロトン共役TEMPO/TEMPOH酸化還元プロセスを利用する。今回の結果は、TEMPOなどの電子-プロトン移動メディエーターと銅などの第一列遷移金属を合わせて用いて、効率の良い2電子電気化学プロセスがいかにして実現されるかを示すものであり、これによって非貴金属電極触媒の開発に新しい概念が導入される。

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