Article
がん:神経芽細胞腫でlet-7マイクロRNAファミリーを妨げる複数の機構
Nature 535, 7611 doi: 10.1038/nature18632
神経芽細胞腫の予後の悪さは、MYCNの遺伝子増幅と関連する。MYCN自身を標的とするlet-7は、腫瘍抑制性のマイクロRNAファミリーの一員で、多数のがんと関連している。let-7生合成の抑制因子であるLIN28Bは、神経芽細胞腫で過剰発現しており、MYCNを調節することが報告されている。しかし今回我々は、MYCN増幅型の神経芽細胞腫細胞株ではlet-7の脱抑制が見られるが、それにLIN28Bの働きは必須でないことを示す。さらに、MYCN増幅型の疾患ではMYCNのメッセンジャーRNAレベルが非常に高く、let-7を吸着するのに十分であり、これはLIN28Bが必須でないことと一致する。let-7の遺伝子欠損は神経芽細胞腫で一般に見られ、MYCNの増幅と逆相関し、転帰の悪さとは独立に関連していることが分かり、このことは神経芽細胞腫に見られる染色体欠損パターンの理論的根拠となる。LIN28Bによるlet-7の阻害や、MYCNによる吸着、あるいは遺伝子欠損は、神経芽細胞腫の発生の統一的機構の1つと考えられ、がんの原因に広い示唆を与えるものである。

