Letter
量子計測学:シュレーディンガーの猫状態のリュードベリ原子に基づく感度の高い電位計
Nature 535, 7611 doi: 10.1038/nature18327
ハイゼンベルクの原理によって生じる基本的な量子ゆらぎが、測定精度の限界を決める。その不確定性が計測器系の共役変数の間で等しく分配されるのであれば、測定精度は標準的な量子限界を超えることができない。計測器の角運動量が大きい場合に標準的な量子限界を超えるには、スクイーズド状態やシュレーディンガーの猫型状態などの非古典的状態が必要になる。しかし、こうした非古典的状態を実験的に生成するのが極めて困難なため、シュレーディンガーの猫型状態の計測への使用は、これまで全角運動量が比較的小さい計測器に限られていた。本論文では、高エネルギーリュードベリ状態の単一原子が持つ大きな角運動量(量子数J ≈ 25)からなる電位計によって電場を測定した結果を報告する。我々は、リュードベリ原子がシュレーディンガーの猫状態を通して非古典的に発展する際に、基本的なハイゼンベルク限界に近づき得ることを示す。我々はこの方法を使って、100 nsの相互作用時間に対して1.2 mV cm−1のシングルショット感度を達成した。これは、今回の3 kHzの繰り返し速度では、30 μV cm−1 Hz−0.5に相当する。この感度の高い非侵襲的な空間・時間分解電場測定は、電気測定手法の範囲を拡大し、重要な実際的応用に利用できる可能性がある。すなわち、約100 μm離れたメソスコピックデバイス中の個々の電子のメガヘルツ帯域幅での検出が手の届くところにある。

