Letter
地球物理学:大洋中央海嶺の地震活動が明らかにした海洋リソスフェアの極端な型
Nature 535, 7611 doi: 10.1038/nature18277
海洋テクトニック・プレートが非常にゆっくりと離れていく超低速拡大海嶺に沿って、マントルの溶融は伝導冷却によって制限されていると考えられており、メルトの生成は極度に不連続であると推測されている。そうした拡大中心に沿って、火成的地殻が存在しない長い海嶺部分と、強い地震を発生し得る巨大な火山があるマグマ的な部分が交互に存在する。従って、最低速拡大海嶺軸に沿って、メルト供給、リソスフェア組成、テクトニクス的構造が大きく変化していると思われる。しかし、地震データが不十分であるため、超低速海嶺のリソスフェア構造はあまり絞り込まれていない。本論文では、390 kmに及ぶ超低速拡大海嶺軸に沿った詳細な地震調査結果を用いて、海洋リソスフェアの2種の端成分の構造と集積モードを明らかにする。我々は、非マグマ的部分では、リソスフェア上部15 km内に浅部地震活動がないが、深さ35 kmまでに発生する地震が非常に多いことを見いだした。この観測結果は、おそらくかなりの量の蛇紋岩化を反映した非地震帯が上部にある、冷たく厚いリソスフェアを示唆している。マグマ的リソスフェアの領域は火山中心の下で劇的に薄くなっていることが見いだされ、その結果生じたリソスフェア–アセノスフェア境界の形態によって軸に沿ったメルトの流れが可能となり、超低速拡大海嶺における不均等な地殻生成が説明されると、我々は推測する。地震活動データは、海洋リソスフェアの変動がこれまで考えられていたよりもずっと深くまで達している可能性があり、海底の変形と流体の循環に重要な影響を及ぼしていることを示している。

