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物性物理学:ディラック半金属Cd3As2におけるフェルミアークが媒介するカイラリティ移動を示す輸送上の証拠
Nature 535, 7611 doi: 10.1038/nature18276
金属における電荷担体の分散は、結晶格子と相互作用するため、自由電子の分散とは明確に異なっている。こうした相互作用は、高エネルギー素粒子物理学における質量がゼロの相対論的ダイナミクスを模倣する準粒子をもたらす可能性があり、電子の量子相を絡ませてトポロジカルに非自明な結び目を作り、特異な電磁特性を持つ保護された表面状態を生成することができる。ワイル半金属と呼ばれる物質や、結晶対称性に保護されたその類似物質であるディラック半金属では、こうした効果が絡み合っている。ディラック半金属は、質量がゼロの相対論的フェルミオンを理論的に記述するワイル方程式によく似た2つの方程式で記述される三次元の線形電子分散を示す。結晶の表面では、並進対称性の破れから、トポロジカル表面状態、いわゆるフェルミアークが生成される。高エネルギー物理学や従来型の凝縮物質系には、このフェルミアークに対応するものはない。本論文では、集束イオンビームで形成したCd3As2のマイクロ構造体におけるシュブニコフ-ド・ハース振動について報告する。この振動は、理論的に予測される「ワイル軌道」、すなわちフェルミアーク状態とカイラルバルク状態を関連付ける、一種のサイクロトロン運動と一致する。従来型のサイクロトロン軌道とは対照的に、この運動は、ローレンツ力による運動量移動ではなく、1つのワイルノードからもう1つのワイルノードへのカイラリティ移動によって駆動される。今回の観測結果から、輸送実験において電荷のトポロジカル特性を直接利用できることを示す証拠が得られた。これは、その応用の可能性への最初の一歩である。

