計算生物学:緑色蛍光タンパク質の局所的な適応度地形
Nature 533, 7603 doi: 10.1038/nature17995
適応度地形は、遺伝子型が表現型レベルでどのように現れるかを描き出すもので、生物学のさまざまな分野を理解するための基盤となるが、適応度地形の特性についてはまだよく分かっていない。これまでの研究では、特定の遺伝子を解析し、多くの場合そうした遺伝子の機能を適応度の代理指標として用いて、1つの特異的配列あるいは複数の異なる配列における単一の変異や変異の組み合わせが機能に及ぼす影響を実験的に評価している。しかし、1つのタンパク質全体の局所的な適応度地形についての体系的でハイスループットな研究はまだ報告されていない。今回我々は、オワンクラゲ(Aequorea victoria)の緑色蛍光タンパク質(avGFP)について、数万種類の派生遺伝子型の固有な機能(蛍光)を測定することで、その局所的な適応度地形の広範な領域を可視化した。その結果、avGFPの適応度地形は狭く、単一の変異を持つ派生遺伝子型の4分の3は蛍光の減弱を示し、4つの変異を持つ派生遺伝子型の半数は蛍光を全く示さないことが分かった。適応度地形はエピスタシスによってさらに狭くなる。こうした影響は複数の変異を持つ遺伝子型の最大30%で検出され、そのほとんどが、タンパク質の安定性の閾値近くまでの減弱とそれに付随する蛍光の喪失を引き起こすような、わずかに有害な変異の累積的効果によって起こっていた。数億年にわたるオルソロガス配列の分岐モデルから、我々のデータのエピスタシスの範囲が予測され、適応度地形の特性が局所規模と全体規模とで一致することが示された。今回行ったavGFPの局所的な適応度地形の特性解析は、分子進化や集団遺伝学、タンパク質設計といったいくつかの分野に重要な意味を持ってくる。

