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生物地理学:深海の生物多様性パターンはエネルギーの利用可能性によって形作られる
Nature 533, 7603 doi: 10.1038/nature17937
深海は、地球上で最大かつ最も調査されていない生態系であり、他に例のないほどエネルギーに乏しい環境である。全球規模での深海の生物多様性の分布や原動力、起源はまだよく分かっていない。今回我々は、海底動物相の優占要素の1つであるクモヒトデ類の16万5000件を超える分布記録のデータベースを解析し、陸上や沿岸海域で知られているのとは違った生物多様性パターンを見いだした。深海(水深2000~6500 m)は、種の豊富さ(種数)のパターンも環境的な予測因子も、沿岸域(0~20 m)、大陸棚(20~200 m)および大陸斜面上部(200~2000 m)とは根本的に異なっている。大陸棚から大陸斜面上部までの種数は、熱帯のインド洋-西太平洋とカリブ海の緯度(0~30°)で一貫して最大であり、このことは水温の違いでよく説明できる。これに対して深海の種数は、それより高い緯度(30~50°)で最大になり、海底への炭素フラックスが高い領域と大陸辺縁部付近に集中していた。我々は、海洋における生物多様性のこうした構造化を、種数–エネルギー関係の枠組みで説明する。つまり、浅海では運動エネルギーが種数を予測しているのに対し、深海では化学エネルギー(表層から輸送される生産力)および大陸斜面への近さが生物多様性の原動力になっていることを示す。これらの知見は、全球の海底環境を保全する取り組みの基盤となるものであり、深海の生態系が、全球規模の他の生息環境とは異なっているものの、生態学理論と一致する生物多様性パターンを示すことを明らかにしている。

