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進化:代謝の促進とヒトの脳サイズおよび生活史の進化

Nature 533, 7603 doi: 10.1038/nature17654

ヒトが他の現生類人猿と異なっている点は、脳が大きいことと、高い繁殖出力(reproductive output)に小児期の遅い成長と並外れた長寿が組み合わさった特異な生活史を持つことである。この一連の派生形質は、ヒト系統においてエネルギーの消費量や配分が大きく変化したことを示唆しているが、ヒト上科動物の間で進化したエネルギー戦略を比較するには、ヒトと類人猿の代謝を直接測定することが必要である。今回我々は、二重標識水法によるヒト、チンパンジー、ボノボ、ゴリラおよびオランウータンの総エネルギー消費量(TEE;kcal/日)の測定値を用いて、「ヒト系統は代謝率の上昇を経験したことで、体の維持活動や寿命を犠牲にすることなく大型の脳と速い繁殖のためのエネルギーを得た」とする仮説を検証した。体サイズや身体活動などの多変量回帰分析では、ヒトのTEEが、チンパンジーおよびボノボと、ゴリラ、オランウータンのTEEをそれぞれ約400、635、820 kcal/日上回っており、これはヒトの大型の脳や高い繁殖出力の代謝コストを十分に補う値だった。ヒトでのTEEの上昇分の多くは高い基礎代謝率(kcal/日)に起因していることから、器官の代謝活性の高さが示される。また、ヒトは体脂肪率もヒト上科の中で最も高かった。代謝率の上昇は、エネルギー配分の変化とともに、ヒトの脳サイズや生活史の進化に極めて重要であった。

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