Letter

生物地理学:後期第四紀の気候変動が島の生物多様性を形作る

Nature 532, 7597 doi: 10.1038/nature17443

島の生物地理学のモデルでは、島の捉え方が2通りある。1つは、地質学的に静的であって、生態学的に中立な移入–絶滅の動態から生物多様性が生じるとするもの、もう1つは、地質学的に動的であって、数百万年にわたる島の特徴変化に影響を受けた移入–種分化–絶滅の動態から生物多様性が生じるとするものである。しかし、現在の島々の気候や空間的配置は、寒冷で乾燥した氷期の反復を特徴とする後期第四紀の大部分の状況と比べるとむしろ例外的である。こうした短い地質学的時間スケールでの気候の振動は、海水準に強い影響を与えて島の面積や隔離および連結の状態を大きく変化させ、その速度は島の理論で考慮されている島の形成、沈降および侵食という地質学的過程と比べて桁違いに大きかった。このような振動が現在の生物多様性にもたらした影響は、いまだに評価されていない。今回我々は、世界各地の島々での被子植物多様性の主要な構成要素に対する現在および最終氷期極大期(LGM)の島の面積、隔離、標高および気候の影響を分析した。その結果、島の特徴のLGM後の変化、中でも面積の変化が、現在の固有種の多様性に深い痕跡を残していることが分かった。具体的には、LGMの期間に面積が広かった島ほど現在の固有種の数や比率が有意に多かった。一方、在来種の豊富さは現在の島の特徴によってほぼ決まる。我々は、島の固有性のパターンとその背後にある進化的動態を解明するには、後期第四紀の環境変化の評価が不可欠であると結論する。

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