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免疫学:Lypd8は有鞭毛微生物相と大腸上皮の隔離を促進する

Nature 532, 7597 doi: 10.1038/nature17406

大腸上皮細胞は厚い内粘液層および外粘液層で覆われている。内粘液層には共生微生物が存在せず、腸の恒常性の維持に寄与している。小腸では、細菌の上皮への侵入を防止するのに重要な分子として、パネート細胞由来の抗菌ペプチドやRegIII(regenerating islet-derived 3)ファミリータンパク質などが明らかになっている。大腸に存在する多数の微生物相に対する物理的障壁となっている粘液層もあるが、細菌と大腸上皮を隔離する機構は完全には解明されていない。今回我々は、マウスにおいてLypd8(Ly6/PLAUR domain containing 8)タンパク質が有鞭毛微生物の大腸上皮への侵入を防止することを示した。Lypd8は、大腸腺組織の最表層の上皮細胞に特異的に発現しており、管腔内に分泌され、Proteus mirabilisなどの有鞭毛細菌に結合する。Lypd8が存在しないと、細菌は内粘液層に存在し、多くの有鞭毛細菌が上皮に侵入した。Lypd8−/−マウスはデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)によって引き起こされる腸管炎症に非常に感受性が高かった。Lypd8−/−マウスでグラム陰性の有鞭毛細菌を抗生物質により除去すると、内粘液層に細菌が存在しない状態が回復し、DSS誘発性の腸管炎症が軽減した。Lypd8は鞭毛に結合して、有鞭毛細菌の運動性を抑制した。従って、Lypd8は、大腸において腸の細菌と上皮細胞を隔離することで、腸の恒常性を維持している。

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