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光物性:コヒーレントな分子間双極子–双極子カップリングを実空間で可視化する

Nature 531, 7596 doi: 10.1038/nature17428

生物系と人工系のいずれにおいても、多くの重要なエネルギー輸送過程や光学的過程は、複数の発色団にまたがる励起子カップリングに強く依存している。原理的には、そうしたカップリングは、関与するコヒーレントな分子間双極子–双極子相互作用を考慮することによって容易に記述できる。しかし実際は、従来の光学機器には回折限界があるため、コヒーレントな双極子カップリングや関連する励起子の非局在化を実空間で直接観測することは困難である。今回我々は、走査トンネル顕微鏡の探針からのトンネル電子によって生じた高度に局在化した励起と、その結果生じる発光のイメージングを併せて用いると、明確に定まった数個の亜鉛フタロシアニン分子の配列における励起子カップリングの空間分布をマッピングできることを実証する。二量体中の励起子の発光パターンが、さまざまなエネルギー状態について記録され、σ分子軌道とπ分子軌道に類似していることが見いだされた。さらに、得られた発光パターンから、系が局所的に光応答し、その局所的光応答が二量体中の個々の分子の遷移双極子の相対的な配向と位相に依存することが明らかになった。我々は、亜鉛フタロシアニン分子を4個まで直線状に並べて全体の遷移双極子を大きくし、その結果として部位選択的な励起時のこのオリゴマーからの「単一分子」超放射が増大することを示す。今回の知見は、我々の実験的手法によって分子系のコヒーレント双極子–双極子カップリングに関する詳細な空間的情報が得られることを実証している。こうした情報を利用すれば、集光構造や量子光源のより深い理解と、合理的な設計が可能になるはずである。

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